一、

東筑髙等学校校歌

            作詞:折口信夫

            作曲:信時 潔

 

筑紫の國の 國の崎 とほく霞みて、海に入る 

 

遠賀の水門も 望むべし。 目翳をかざせ。 汐境

 

響灘 玄界の波 澄みわたる 朝の幻。

 

馴れ馴れて 海の若人

 

吾こそは、洋の独り子 吾らかく 若々し。

 

身は健かに、氣宇ひろく、筑紫の海の如 あらむ

 

 

二、

大獅子吼して 汽車来たる。 遠賀川橋 驀地に、

 

汽罐は晝を鳴りわたる。 折尾の空に 聳るもの

 

青嵐 丘をめぐりて、すがすがし わが學校。

 

若き日の 代々の先輩

 

年を經し わが傳統。 吾らかく 勤しめり。

 

心ただしく 才髙く、筑紫の山の如 あらむ

 

 

三、

こゝに日本 はじまれる 筑紫に、吾等生れあひ、

 

あゝ言ひ知らぬ 誇らしさ。 鑛坑にとどろくもの聲は、

 

甦り来る 國の音。 さ夜深き 皿倉おろし

 

ともし火を 髙くかゝげよ。

 

あきらかに わが道を見む。 われらかく さやかなり。

 

智慧明らかに 認識よく、筑紫の空の如 あらむ

 

 

 

   よきかな東筑 うるわしく。

 

   東筑 々々 寛かなれ。

 

     あゝ 東筑。

 

 

 

 

 東筑百年史、さらには東京東筑会のwebサイトに校歌成立の詳細な記述があります。ご参考にされてください。

 

 なかでも、東京東筑会の校歌のページは、成立事情の記述はもちろん、作詞者折口信夫氏、作曲者信時潔氏が手がけた他校の校歌と我が校校歌との比較・鑑賞など、たいへん充実した内容になっています。ご覧になりたい方は下のリンクからどうぞ。

 

東筑校歌